交通事故の形態は、車の接触事故から加害者も被害者も死亡するような交通事故まで多種多様、千差万別です。交通事故が発生すると必ず損害賠償の問題が起こります。 軽微な事故であれば、強制保険で補填してもらって損害賠償問題は解決します。 しかし、被害者に損害賠償の知識がまったくない場合には、任意保険会社の代理人の言いなりになって、強制保険金の範囲内(任意保険会社の負担はなし)で終わりになっているケースもあります。
交通事故のうちの人身事故だけに限ってみると、その約95%が示談によって解決しています。交通事故と示談とは密接な関係があるといえます。 しかし、示談という言葉は、六法全書のどこを開いても出てきません。示談に当たるものに「 和解 」があります。 民法第695条では、 「 和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる 」と規定されています。 示談は、民法上の和解契約と同じといえます。
任意保険に加入している人の多くが、自家用自動車保険に加入しています。この保険は、事故が起こった場合の示談代行付きの保険です。 このため、被害者のもとに示談交渉に来るのは、加害者よりも保険会社の代理人が多いのです。保険会社の代理人は交通事故解決のプロです。 このプロを相手に被害者は示談交渉をしなければなりません。保険会社の代理人は、できるだけ低い金額で早く示談をするように、あの手この手を使ってきます。
加害者が示談を急いで迫ってくる理由は、加害者が刑事責任を問われている場合です。 検察段階で、示談ができていれば、起訴猶予又は略式の罰金ですまされるケースもありますし、例え本裁判であっても、被害者と示談ができていれば情状酌量され執行猶予となる場合があり、反対に示談ができていなければ禁固刑に処せられることがあるからです。
示談は加害者(保険会社)と被害者等の話し合いですから、お互いが納得すれば損害賠償額をいくらにするかは自由に決められます。 一度示談が成立すると、示談金額以上のお金は請求できなくなります。 示談契約書には、一般的に示談書末尾に 「 本示談書に記載した事項以外には、債権債務がないことを確認する 」 という決まり文句が入ります。 例外は、示談成立後に後遺症が発生した場合です。 後遺症の場合、示談成立時に後遺症の分も含めて示談をしたことが明らかな場合を除いて、後遺症の分を別に請求できるというのが判例の立場です。