【学校裏サイト・プロフ】
いじめの手段に、近頃、ネット掲示板の「学校裏サイト」や携帯電話の自己紹介サイト「プロフ」が加わり、いじめが陰湿・巧妙化しています。それを苦に子供が自殺した場合、通常、加害者が12歳以上なら責任能力ありと判断されるので加害者本人を、11歳以下なら監督責任のある親を相手に、民事訴訟を起こして損害賠償を請求することになります。訴える側はどうすればいいのでしょうか。
まず、子供がその加害者にいじめられたことを立証する必要があります。このとき、子供の遺書や日記、メモ、メールも証拠になりますが、その中で加害者を特定していたとしても、加害者に「そんなつもりではなかった」などと反論されることも多く、それだけでは証拠として不十分です。子供の同級生やその保護者など第三者の証言が役立ちます。もちろん、加害者による学校裏サイトやプロフの誹謗中傷の言葉も証拠のひとつになります。
次に、その加害者によるいじめが自殺を引き起こしたと判断できる、かなり強い因果関係を立証する必要があります。自殺においては、加害者が自殺を予見できた場合に相当因果関係が認められますが、ほとんどの裁判では、いじめの存在は認めても「自殺までは予見できなかった」と予見可能性を否定しています。ただし、被害者に対するいじめが執拗で、被害者の苦痛が自殺をもたらしかねないほど深刻なものであることを加害生徒側または学校側が認識できる場合には、そのような認識のあった加害生徒側または学校側に予見可能性を認める判例も出てきています。
こうして責任が認められた場合の賠償請求額は、案件によって一億円近くの高額になりますが、通常は被害者の「過失」分が減額されます(過失相殺)。過失には、被害者が自ら命を絶つという選択肢を選んだ事実や、いじめが被害者の言動により引き起こされた可能性など論理的・習俗的にみて不注意な態度一切が含まれます。賠償額が約4〜7割も減額されることもあります。
一方、予見可能性が認められないケースでも、いじめに対する慰謝料は請求できます。その額の相場は1000万〜2000万円。自殺した事実が重く捉えられ、慰謝料は高くなります。
いじめが、暴行、恐喝、障害、強制わいせつなどの犯罪に該当すれば、刑事上の責任を追及できますが、いじめに圧倒的に多いのは言葉によるものや「シカト」などの心理的な暴力です。クラス内、学校裏サイト上でのそれは、時に侮辱罪や名誉毀損罪に当たるケースもありますが、警察は立件しにくいからと、捜査に動きたがらないのが現実です。
よって子供を亡くした親としては民事裁判であれ刑事裁判であれ、子供が誰にどのようにいじめられていたかという証拠を可能な限り集めることが大切と言えます。
