傷害事件や器物破損、人身事故。いわゆる警察沙汰、刑事事件になれば人生が大きく狂ってしまう。万が一そうなった場合、気になるのは自分が勤務する会社の事だろう。
会社は原則、職場外での社員の私生活に干渉する事は出来ない。しかし、そのような警察沙汰の表面化によって、企業の信用力が失墜したり、業務の運営に支障をきたしてしまったりすれば、解雇などの処分の対象になり得る。職場以外での刑事事件の場合、事件の内容、当該社員の社内での地位や経緯、役職、その他重要性、営業成績などを総合的に判断して処遇が決定されるケースが多いようである。
死の際に判断基準となるのが、いわゆる「就業規則」。
就業規則は、労働基準法89条により、「従業員10人以上」の会社に作成を義務付けられています。会社は、策定した就業規則を労働基準監督署に届け出、社員従業員に対して周知徹底に勤めなければならない。
なかでも「懲戒規定」は重要であり、懲戒の種類は会社によって異なるものの、戒告、減給、出勤停止、懲戒解雇などがある。
刑事事件を理由とする解雇などであっても、それが、会社の懲戒規定に該当しない場合もあるので、その場合は不服を申し立てる事も可能である。
では、もし刑事事件を起こしてしまったらどう対応すべきか。
弁護士を通して被害者と接触し、示談交渉をまとめ、示談書、和解書を取り交わすことである。示談が成立するか否かによって、検察側の対応も大きく変わってくるからである。
この様な迅速な対応によって、被害者との示談をまとめたとしても、それらの事実が会社に知れてしまったら、いわゆる懲戒処分は免れないだろう。
刑事事件の加害者になってしまった事のマイナスは、懲戒処分だけに留まらない。弁護士費用と示談金、この「刑事事件出費二本柱」の経済的損失は甚大である。
また、刑事事件として起訴を回避できたとしても、民事訴訟で損害賠償を請求されるケースが多い。後から損害賠償を請求されるのが怖いのであれば、早めの示談が必要であり、状況は圧倒的に被害者が有利である。
刑事事件の加害者となれば、人生が大きく狂う事になる。
【判例】
事件名 : 雇用関係存続確認等請求事件
いわゆる事件名 : 横浜ゴム事件
夜間、他人の住居に侵入してつかまり、住居侵入罪で罰金二五〇〇〇円に処せられた工員に対する懲戒解雇の効力が争われた事例。
結局、懲戒権を発動すべからざる場合に発動したものであつて、その余の争点につき判断するまでもなく、無効といわなければならない。
この様に、刑事事件により、懲戒解雇を言い渡されても、その処分が重過ぎるという理由により不服を申し立てれば、処分取り消しとなる可能性もある。