電話を使った詐欺の被害が増えている。その中でも被害が急増しているのが、いわゆる「還付金詐欺」です。犯人は税務署や市役所の職員を名乗り、「医療費の還付手続きがお済みでない方に案内を差し上げています」などと電話をかけてきます。続いて、「銀行のATMで手続きが出来ます。やり方はその場で指示いたしますので、携帯電話をお持ちになってください」等の説明をします。被害者は矢継ぎ早に指示を受け、夢中で操作するうち、それと気付かずに現金振込みの操作をしてしまっているという流れです。
【いたちごっこ】
こうした被害を防ぐ為、各金融機関では、ATMの振込み限度額を大幅に引き下げて対策を行っていますが、その様な対策をすり抜ける手口も存在します。
それは、郵便の定型小包「エクスパック」を使った手口です。エクスパックは専用封筒を500円で購入して、切手を貼らずに投函できる手軽なサービスです。本来、エクスパックで現金を送付してはいけませんが、その事実を知らない人が多いのも事実です。現金書留と違って、エクスパックで現金を送付した場合は、その証拠が一切残りません。すなわち、被害金額の証明が困難なのです。また、詐欺業者はその送り先も私書箱となっているケースがほとんどで、摘発が難しいのが現状です。
【対応策】
平成20年6月にいわゆる「振り込め詐欺救済法」が施行され、「振り込め詐欺」とわかれば当該口座が凍結され、被害金額の一部・全部が比較的簡単な手続きで変換される様になりました。しかし犯人は入金確認後、「出し子」と呼ばれる「現金引き出し要員」に即座に引き出させるケースがほとんどです。ですから、犯罪口座が凍結された時には、口座にほとんど現金が残っていないのです。
この様な被害を防ぐには、突発的な事態に一人で対応せず、まずは誰かに相談する事でしょう。知らないことは自分で判断しない、それが鉄則です。そもそも「会社のカネを使いこんだからカネを返さないと逮捕される」「痴漢の示談金が必要」「傷害事件を起こしてしまった。カネが必要」、こういう様な問題で、真っ先に「お金」の話から始まるのが不自然と考えましょう。
「自分は大丈夫」という人が一番危険です。投資や利殖を謳った詐欺的な悪質商法では、一流企業のサラリーマンや、公務員、教員や教授も引っかかっています。例えば「大学のゼミの後輩」と偽って職場に電話をかけ、「契約とかそういう話では全くないですから、顔つなぎに名刺交換だけでもして欲しい」としたでに出てきます。「後輩」といわれるとなかなか邪険にも出来ず、やむを得ず約束をし、会えば「元本保証の必ず儲かる案件ですから是非、一緒にやってください」と畳み掛けてくる。それをきっぱりと断れるでしょうか。
