4433.jp::正当防衛【せいとうぼうえい】 | トラブル・お悩み相談ならSP解決センター

正当防衛【せいとうぼうえい】

『やむを得ず』でもやりすぎは認められない。

刑法では、正当防衛を次のように定めている。「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛する為、やむを得ずにした行為は罰しない」36条1項。

これで解るように、正当防衛が認められるには、いくつかの要件がある。

まず、前提となる加害行為が「急迫不正の侵害」である事。「急迫不正の侵害」とは、突然の襲撃など、いきなり生命や身体に加害行為が加えられる事。

次に、その加害行為に対して行う反撃は「防衛目的」でなければならない。自分や他人の権利(生命、身体的自由、奪われた金銭・物など)を守る為という「防衛目的」である事が必要だ。自己に限らず、一緒に襲われた自分の子供を守る、他人が襲われている現場に遭遇して助けるなど、「他人」でも正当防衛の対象となる。

第三に「急迫不正の侵害」に対して「防衛目的」で、かつ「やむを得ずにした行為」でなければならない。「やむをえずにした行為」かどうかの判断は、加害行為とのバランスで考える事になる。反撃の方法や度合いが過剰でないかどうかになる。

以上の要件が全て満たされれば正当防衛となる。つまり相手を殺傷しても違法性は無く、犯罪とは呼ばずに処罰されない。

法律上の要件は以上の通りだが、実際の事件は千差万別で要件を満たしている。
か否か判断が難しい事も少なくない。

まず、急迫性の問題。見かけの上では、突然の襲撃であっても、そうだと判断されない場合もある。

例えば、仲間内で日頃から仲が悪く、襲撃をされる事を予想し備えていた場合。
「乱暴な人間だから、酒の席で刺激したらその辺りになるもので殴りかかってくる恐れがあるから反撃の為に準備しておこう」とナイフを用意しておき、それで殺傷したら「急迫不正の侵害」を受けたとはみなされ難い。

最近、「秋葉原事件」や「八王子事件」等、街中でいきなりナイフで刺される事件が目立つが、それに備えた場合はどうなるか。

通勤かばんの中に短い棍棒程度のものを忍ばせていたり、女性ならばスタンガンなど護身ようグッズを携行し、それを使用しても正当防衛の範囲内とみなされるだろう。襲撃を想定した準備とはいえ、具体的な相手が解らなければ急迫性は否定出来ないはずだからだ。

次に「防衛目的」については比較的認定されやすく、あまり争いは無い。

問題は「やむを得ずにした行為」かどうかだ。この部分が裁判でも争われる事が多い。基本的には、加害手段と反撃手段についてバランスが取れているか否かが大きな基準となる。具体的には素手に対して素手の対抗ならばいいが、近くにあった包丁で反撃したならバランスが悪い。しかし、襲われた側が女性なら素手に対してナイフを持ち出してもやむを得ないのではないか。など、ケース・バイ・ケースとなる。

反撃行為が加害行為をオーバーしていれば過剰防衛で犯罪となる(刑法36条2項)が情状により減刑となる可能性が高い。

ただし。一定の状況については、反撃オーバーでも正当防衛の特例として認められている。それは相手が住居に侵入する盗賊だった場合だ。「自己や他人の生命や身体、貞操に対する現在の危機を排除するために犯人を殺傷」しても正当防衛としてみなされる(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律・1条)。

尚、正当防衛は認められにくいという一般の認識は正確ではない。裁判まで至る以前に、正当防衛の要件を満たしている場合は起訴が見送られるケースが穂飛んである。起訴されるのは要件に疑問があったり、反撃結果が重大(致死)で裁判所の判断も仰ぐべきと考えられる場合が多い。

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