ネット経由で商品を注文し、代金を払ったのに品物が送られてこない。あるいは偽ブランド品や不良品が送りつけられる。そんな詐欺商法の被害にあった場合、法律的な経済方法は店舗での取引と変わりありません。故意であったと立証できれば、詐欺罪(刑法二四六条)として契約の取り消しと代金返還を請求できます。
ただし、これは相手に連絡がついた場合の話です。この手の詐欺の多くは、サイト上に住所や氏名が表示されていても実態がなかったり、口座から突き止めようとしても架空口座を使っていたりして、連絡が取れないようにしてあるものです。
このような場合はまず、相手の連絡先を突き止めねばなりません。
相手の名前と住所を突き止められれば直接交渉ができますし裁判で返還請求や損害賠償(民法七〇九条)を請求することもできます。注文や入金の証拠さえ残っていれば裁判で負けることはないでしょう。
ところが、代金を返還するよう判決が出ても、実際には相手が開き直って払わない場合があります。その場合は強制執行によって取り立てることになりますが、かなりの費用と手間がかかりますし、相手が破産していて差し押さえるような資産も持っていなかった場合は事実上、回収不可能ということになってしまいます。
一方、相手の行為が故意か過失か微妙なケースもあります。とくに中古品などは売り手と買い手でイメージする品物の状態が違っていたということが常に起こります。こうしたケースは故意かどうかの立証は困難です。故意がなかった場合は、債務不履行(民法四一二条)で代物請求する。契約解除して代金を返還してもらうなど、いくつかの選択肢があります。ただしこの場合も、明らかに商品に問題があるというより、個人によって評価が分かれるようなトラブルの場合、解決は困難となります。なお、海外の取引相手の場合は、現地で裁判を起こさなくてはならないケースもあり、さらに難しい状況になります。
ネットでの買い物は便利な半面、相手の顔が見えず、匿名性が高い相手や会社と取引をすることになるため、トラブルも多く、解決するのは非常に難しいというリスクがつきまといます。まず、利用するにあたってできるだけ信頼のおけるサイトを利用し、それでもトラブルの可能性はゼロではないとか認識しておくべきでしょう。